見えない紫外線ダメージと日焼け止め
しみの大敵、紫外線ダメージには、目に見えるものと見えないものがあります。
夏、ジリジリ痛いくらいの日差しの中へ進んで素肌のまま出ようとする人はいないと思います。
日焼け止めを使ったり、日傘や帽子をさしたり、なるべく日影を歩くようにしたりと、何らかの紫外線対策をして、しみケアをしていることでしょう。
では、室内や、車の中はどうでしょうか。
車通勤をしている人などは、窓を開けたら直射日光が辛いのでまず窓を閉めたりするのではないでしょうか。
そうすることで、ガラスのUVカット効果で多少直射日光の刺激が緩和されます。しかし、密閉された車内は暑く、エアコンを入れてしまいます。
車内が涼しくなると、つい紫外線に油断してしまい、「今、紫外線をめいっぱい浴びている」という意識は薄れていくものです。
この“無意識に浴びている”ということが要注意なのです。
紫外線を浴びたことで受ける“見えない肌ダメージ”、これはコラーゲンの破壊。
紫外線は肌のハリや弾力を担うコラーゲンを破壊します。コラーゲンが過剰に壊されると、たるみやシワができます。
赤くなるほど日焼けをすると、すぐに肌がつっぱってパリパリになります。この乾燥は、“見える”ダメージです。
日焼け後の炎症が治まって、ひと皮むけるとこの“見える乾燥”は和らぎますが、そこで油断してはいけません。
このとき肌の内部では着々と深部乾燥が進行しています。それは、肌に水分を蓄える力の低下。
これは、思いっきり日焼けをしたときだけではなく、日々無意識に浴びてしまっている生活紫外線によっても起こります。
ファンデーションが粉っぽくなるなど、見えない紫外線ダメージの黄色信号をしっかりと受け取ってください。
肌は無意識にたくさんのダメージを受け、しみは見えないところで進行していく、これが紫外線ダメージの一番怖いところかもしれません。
最近では、首の後ろまで保護するように作られた幼稚園児の帽子など、早くからの紫外線対策も見られるようになりました。
紫外線のダメージは、累積していきます。昔に日焼けをしたときに溜めこんでしまった「紫外線ダメージ」を、日々のお手入れでできる限り減らしていきたいものです。
紫外線ダメージ消化していくには、回復できる肌の力を養っていくことが必要ですが、人の自己回復力は年々低下していくものです。
しみケアには今のお手入れからまず少し見直して、受けるダメージを最小にする努力をしたいものです。
しみケアの第一歩は紫外線対策です。
紫外線対策といえば、ほとんどの人が日焼け止めを思いつくのではないでしょうか。
その日焼け止めにも二種類あるのをご存知ですか。
紫外線への対処の仕方から、大きく分けて「紫外線吸収」と「紫外線散乱」があります。それぞれに成分と特長が違います。
紫外線吸収剤は、肌の内部に紫外線が入らないようにと、表面で紫外線を“吸収”してしまうものです。
そして吸収した紫外線をエネルギーに変えて放出し、内部への侵攻をブロックします。
紫外線防御力が高く、SPF値の高い製品には必須の成分です。
弱点は防御力が高い分、肌への負担も高くなってしまうことでしょう。
代表的な成分としては、メトキシケイ皮酸オクチルなどのケイ皮酸誘導体、ジメチルPABAオクチルなどのパラアミノ安息香酸誘導体、またt-ブチルメトキシジベンゾイルメタンなどのジベンゾイルメタン誘導体です。
紫外線散乱剤は、紫外線を乱反射させて、内部への侵入を防ぎます。特殊なカッティングを施した粉体が、紫外線を散乱させ、侵入を防ぎます。
防御力では紫外線吸収剤には劣りますが、肌への負担は少ないので、赤ちゃん用の日焼け止めや敏感肌用の製品で多く使用されています。
代表的な成分は酸化亜鉛や酸化チタンなどですが、「ノンケミカル」と表記されていることが多く、比較的判断はしやすくなっています。
日焼け止めの製品には、吸収剤か散乱剤のどちらかが使われていますが、両方が組み合わされている場合もあります。
肌質や使いやすさ、感触、紫外線対策を行うシーンや場所などの目的や好みに応じて選び、しみケアをしてください。